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執筆者の写真Daisuke Koike

マクロへのススメ


なんでマクロかって?

マクロレンズは、今ではあまり使わないけど持っている。

スタジオ勤めのときは、ほぼ毎週使っていた。

当時は商品撮り(これをブツ撮りっていいます)を担当してて

毎月発行されるカタログ販売用の写真を撮影していた。

毎月発行されるけど、一気に撮らないのは、メーカーがその時々の流行具合を見極めてるから

毎週毎週で、小分けして探りながらの撮影だったんだね。

もちろんモデルを使っての撮影もあったけど、モデル撮りは大抵が下着だったので

最初のうちはちょっと照れた。数回撮ったらなれたけどさ。

ブツ撮りで使うレンズは、普通は標準レンズで事足りるけど

ストッキングやタオルなどの繊維モノなどは、その繊維を撮るためにマクロが必要だった。

あとは、小さなモノを撮影するときは、標準かマクロかで選んで撮っていた。

マクロレンズってのは、小さなモノを撮影するときに使う。

一般的には、こう考える人の方が多いかも。

というよりも、一般人でマクロ買う人のほとんどは、虫とかの小さいものを撮影するために買うでしょ。

それ以外での使用方法を知っているアマチュアは少ないかもね。(知ってる人もいるだろうけど)

なんせ、マクロコンテストなどの作品を見ていても、大体は「小さな世界」を切り取ってるしね。

でも、カメラマンの世界では、ちょっとだけ違うんだ。

もちろん、カメラマンといえども、小さなものを撮るために使うことも多いし

さっき書いたけど、繊維などをクローズアップさせたいときなどは必須レンズだね。

料理を撮影するときは、100%、マクロレンズを使用すること。

と、カメラマン業界では言われている。

マクロ以外で料理を撮影する場面ってのはほとんどないかもね。

マクロの可能性って部分では、俺はまだまだ知らない事が多いと思う。

コンテストの出品写真の中には、俺も思いつかないような作品がたまにある。

それを見ると、きっとマクロの可能性はミクロの世界だけに留まらないと思っている。

あるカメラマンが言ったんだ。

「マクロレンズは、小さなものを撮るためだけにあらず」

この意味を、俺は未だ理解できていない。

これは、昔、俺がマクロで世界を作り出そうと思って撮った作品。

小さな台の上に、普段目にするような世界観を求めた。

スタジオ撮影だけど、ライティングを工夫して夕日をイメージした。

けっして画像処理で夕焼けを作り出しているのではないよ。すべて演出して撮っている。

ちなみに、銭形のとっつぁんのリアル寸法は1.5cmくらい。

背後の壁は、レンガ色の発泡スチロール。

アスファルト調の地面は、ただの工作用の耐水ペーパー。

こう書いたらそう見るかもしれないけど、書かなかったらリアル。

ワザと荒撮りにして、ちょっとノスタルジックな雰囲気もプラスさせてみた。

小さな世界だけど、小さな世界だからこその難しさもある。

拡大しても粗が見えないように撮るには、ミクロなパーツを最初から使わなきゃならないからね。

マクロは奥が深いよ。

単に小さなものを大きく撮るにあらず!なのです。

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