僕は職業カメラマンです。
これは僕のカメラマンとしての知識から得た、ほぼ独自の発想にもなるかもしれないけど
この世の中には肉眼では見えるけど、実際には存在しない色があると思っている。
存在していない色なら肉眼では見えないだろ。って?
いや、見えてるけど存在はしていないんだよ。
ご存知、この世は全て、というか、地球上にある全ての物質は、太陽の光でその存在を現している。
その存在っていうのは、そのものの形を肉眼で捉えることのことで、
見えているから存在している(そこにある)って思っている。
逆に、目に見えないものは、人間は存在を認識することが出来ないってことだね。
もちろん、あまりにも微細で、肉眼では見えていなくても、顕微鏡なら見えたりするものもあるけど
それだって「顕微鏡」を使用して肉眼で確認していることには変わらないよね。
物を形成しているのは、この地球上では100%「光」と「影」なんだ。
光がないと物を見ることはできないけど、影のなくても物は見えないんだよ。
例えば、どこまでも続く真っ白な雪原のなかで、雲ひとつ無い空の下に立つと
人は、大地の凹凸が判別できなくなって、前に進むことが出来なくなるんだ。
これは、実際に俺も実験して経験してみたので言えるけど、宙に浮いている状態に近い感覚だね。
光に包まれた空間では、人は目前からその一切が消えちゃう感覚に襲われるんだ。
また逆なら、一切の光が届かない(入らない)空間において
人はまた、前にも後ろにも進めなくなるんだよ。下手したら立っていることすらできないかもね。
つまり、完全なる暗黒世界なワケだけど、暗黒は人間の平衡感覚や方向感覚を使用不可能にしてしまう
だからかもしれないけど、暗黒の中だと人は本能的に恐怖する。
もう分かると思うけど、この地球上では物は光と影があって始めて「形」ってものを現わしているんだ。
影のグラデーションが淡いほどやわらかい形として認識して、影がシャープなほど鋭角な形だと認識してる。また、影が淡いほど光も淡く、影が濃いほど光も強いと判断している。
さらに物の個性を決定付けているものは「色」だね。
この地球上では、色もまた光によって作られているんだけど
地球には、ご存知、3色の光しか存在していないんだ。それを光の三元素といってるね。
三元素はRGBで現わされていて、Rは赤、Gは緑、Bは青のことを言ってるんだよ。
本来、太陽はこれ以外の光も発しているハズだけど、成層圏を通過できるのがRGBのみの光なんだ。
なので、人間はRGBで生まれる色しか知らないし、それ以外の色を絶対に見ることもできないんだよ。
なぜなら、地球上で生まれた人間は、RGBを認識するためだけの「目」しかもっていないからさ。
多分、思うにガンマ線なども宇宙空間では色が着いているのかもね。
地上に存在している色の全ては、RGBのみで全て作れる。
裏を返せば、RGBで作れない色はこの地球上には存在していない。
だけど、月に行けば存在してるかもね。
しかし、存在していても人はそれを見ることはできないし、仮に機械でも見えないだろうね。
地球人が作っている以上は、地球人の知識の以上の解読は不可能だから。
最近、日本の衛星が月の周りを周回して、その写真を地球に送ってきたりしているけど
あれだって地球人の開発した「レンズ」と「センサー」で処理されている画像だから
実際には存在してるかもしれない第4の要素は、そのレンズでは映し出すことができないんだよ。
んで、話を元に戻すけど
ちなみに「色」は、それそのものが独自で存在しているワケじゃなくて、
物質がもっている、どの光をどれくらい反射するかで色が決定されている。
つまり、赤い光だけを多く反射する物質は赤く見えて、赤と青だけ反射する物質は紫に見えるんだ。
物質が何の光を反射して、何の光を吸収するかで物の色性格が決まってくるってことだね。
そして、ここでタイトルの言葉が出てくる。
ここまで書いた内容で、RGBの反射率で色が決定してくるってのは分かってもらえたと思うけど
では、黒と白はどの調合で作られるのか?
答えは
黒と白はどんな調合でも作ることができないのだ。
光の照射率は、0~255の数字で表すことが一般的で、0なら照射が無い状態で255がMAX照射ってこと
Rレベルが255でGとBのレベルが0なら、その物質はなんであれ赤くみえるはずさ。
赤のストロボだけを照らした室内だと、黒いトレーナーであっても赤に見えるでしょ。
なら全ての光を255で照射した場合はどうなるのか?というと
全ての光が均等に照射(反射)されているなら、その部分は透明になるんだ。
R=255 G=255 B=255 で照射すると、全ての色が相殺しあって「無」の状態になるんだよ。
ためしに、PCの画面はRGBで表示されているので、全ての光を255にして実験してみたらいい。
しかし、空間照射なら透明なんだけど、壁照射なら壁の色が消えて肉眼では白く見えている。
MAX255照射にしたときに、PCのモニターが白く見えるのと同じだね。
これを人は「白」という色にしたんだ。
本当は白ではなく透明。ただ、そのものの色が消えただけ。
しかし、実際に物質に表現するには「色」としての地位が必要だったんだ。
なので、その状態(全ての光を均一に反射する物質)を「白」と位置づけたんだね。
そして、逆に全ての光レベルを0にしたら・・・そう闇だね。
月の光もない夜道が真っ暗闇なのと同じ。完全に光が0なら、さっきも書いたけど暗黒になるんだ。
おさらいだけど、物質の中にはRは反射するけどGとBは反射しないものがあるって書いたよね。
そして、そのものは赤く見えるんだってことも書いたね。
だけど、この地球上には、稀にすべての光を反射しないで吸収してしまう物質があるんだ。
全ての光を吸収してしまったら、それは全ての光レベルが0なことと同じことになるんだ。
つまり、なんも反射しないので闇に見える。あるいは、全く光を照射しない状態も闇に見える。
それを人は「黒」という色にしたんだ。
白と同じ理由で、実際に表現する際に「色」の位置づけが必要だったんだね。
さっきも書いたけど、PCのモニター(TVも同じ)はRGBで表示されているワケだから
光を全部OFFにしたら・・・そうだね、何も映ってない(あるいは黒画面)になるよね。
だから白と黒は、RGBの反射で表現される光のとは別に、位置づけとして生まれた「色」なんだ。
他の色が自然色とするなら、白と黒は100%人口色ってワケだね。made in 人類なんだよ。
白は、透明なことを色で現わすために人間によって作られた色であり
黒は、一切の光を反射しない物質を現わすために人間によって作られた色ってこと。
光(RGB)では存在していない色なので、黒と白だけはどんな色を混ぜても作ることはできないんだ。
だから絵の具には白と黒だけ単独で存在してるんだ。
本来、絵の具であっても、赤、緑、青、の3色があればこの地球上の全ての色が作れるはずなんだけど
どうしても白と黒だけは作れない。だから別に用意する必要があった。
ちなみに、赤、緑、青の色を全て均等に混ぜ合わせても「灰色」にしかならない。
また、全ての色を混ぜないからといっても白は生まれない。白も混ぜ物では絶対に作れないんだ。
ま、何も混ぜないんだからしいて言えば透明だね。
絵の具を混ぜずに水で絵を描いている状態なので、「何したいのアンタ?」って言われるね。
印刷の世界ならCMYKで表されているんだけど、これはRGBを具現化させる為に生まれたもので
Cはシアン Mはマゼンタ Yはイエロー Kはブラックのことを意味しているんだ。
CMYの色についてはここでは書かないけど、ここでもK(黒)だけは個別に用意されるんだよ。
印刷の世界では、W(白)は紙そのものの色(無地)で表現されるので、白は個別用意はされないんだ。
っと、最後に・・・
職業柄、仕事中は服は白いものと黒いものしか着ない。これには訳がある。
でも、職業がなんであったとしても、以前から白と黒が大好きだったけどね。
今でも自宅の家具は、全て黒のみで揃えているし、着ている服も白か黒が多いかな。
なんでかって言うと
白とは、全ての光を反射する要素であって
黒とは、全ての光を吸収する要素であって
それを別な表現にすると、どんな障害であっても全て跳ね返して進みたいっていう思いと
俺にとって有益なことであれば全て吸収したいって思いが、白と黒に重なるから。
ま、他にも白と黒ってのは、俺の竹を割ったような性格にもリンクしているからかもね。
この手の話をし始めると、ついつい人生論にまでなってしまうので
今日はこの辺で止めておくことにします。
おしまい。